今回紹介する漫画は【あめとつち】です!

※画像は『Amazon』より引用(©庭田羊々/大洋図書)
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登場人物
- 霧島
伯父が遺した家に一人住む闇を抱えた青年。陶芸家
- 成田
霧島の家に雨漏りの修理に来た青年。大型犬のような雰囲気
感想
全体を通してとても雰囲気が良く、読んでいて心地よい空気感が感じられる作品でしたね!
物語全体に流れるやわらかく穏やかな雰囲気が印象的で、ページをめくるたびに自然と物語の世界に入り込めるような魅力があった。
大きな出来事が次々に起こるタイプの作品というよりも、登場人物たちの気持ちや関係性を丁寧に積み重ねていくタイプの作品で、その静かな温かさがとても心地よかったです。
コミ爺さんゆったりとした時間が流れる作品なわけじゃな
特に印象に残ったのは、主人公二人の関係性。
お互いのことを大切に思っている気持ちがとても自然に伝わってきて、読んでいるこちらまで温かい気持ちになるような描かれ方だった。
無理にドラマチックにするのではなく、日常の中で少しずつ相手を想う気持ちがにじみ出てくるような描写が多く、その積み重ねが二人の関係の魅力をより引き立てていたように感じた。
また、相手を大切に思っているからこそ、今の距離感や関係性に対して戸惑いや疑問を抱いてしまうところも、ラブコメとしての魅力の1つ。
お互いの気持ちが見えそうで見えない、でも確かに相手を想っていることは伝わってくる――そんな絶妙な距離感に思わずニヤニヤしてしまう場面も多く、読んでいてとても楽しかった!
二人のやり取りのテンポや空気感も心地よく、自然と応援したくなるような関係だったな~。



相手を大切だと想いすぎるからこそ、一歩が踏み出せない。あるあるじゃなぁ~
心に刺さるセリフが多かったことも印象に残っている。何気ない言葉の中に、登場人物の思いや人生観がにじんでいて、読んでいて何度も「いい言葉だな」と感じる瞬間があった。
中でも特に好きなのは、「息がしやすい場所で生きるのは、そんなにダメなことでしょうか」というセリフ。
伯父の家から実家に帰ってくるよう母に言われた後に、霧島が口にした言葉なんだけど、この一言には彼のこれまでの葛藤や苦しさ、そして自分らしく生きたいという願いが込められているように感じたね~
この言葉は作中の霧島だけでなく、多くの人の心にも当てはまるものなのではないかと思う。
誰しもが、できることなら自分にとって息がしやすい場所、安心していられる場所で生きていきたいと願うものですよね?
そうした普遍的な思いを、シンプルな言葉でまっすぐに表現しているところがとても印象的で、読んだあとも心に残るセリフだったな。



息のしやすい場所で生きるのはわるいことじゃないが、『逃げ』と捉えられることもあるからのう、難しいところじゃ
また、物語の中で描かれる母との確執についても、無理のない形でうまくまとまっていた点が良かったと思う!
家族との関係という難しいテーマを扱いながらも、どこか現実味のある形で着地していて、読後感もとても良かった。
1巻で完結する作品の中で、ここまでしっかりと問題点や感情の整理が描かれているのは、作者さんの構成力や表現力の高さがあってこそだと感じた。



漫画家さんのファンになってしもうたわい
BL作品ではあるけど、描写としてはキスまでにとどまっており、過度に刺激的な表現はない。
そのため、BLにあまり慣れていない人や、これから読んでみたいと思っている初心者の方でも比較的読みやすい作品なのではないかと思う。
恋愛のドキドキ感はしっかりありながらも、物語の中心にあるのは登場人物たちの気持ちや関係性の変化であり、その丁寧な描写がこの作品の大きな魅力だと感じた!
全体として、優しい雰囲気の中で登場人物たちの思いが丁寧に描かれている、温かい読後感の残る作品でした。静かだけれど心に残る物語が好きな方には、ぜひ読んでほしい一冊だと思います!








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