今回紹介する漫画は【澱み ~バッドエンド作品集~】です!

※画像は『Amazon』より引用(©秋 ヨシカ, 阿部 洋一 , 天知 ルカ ,有咲 めいか, 黒咲 練導 , 鈴木 小波 , 西 義之 , 冬虫 カイコ, ムライ, 丑山 雨/KADOKAWA)
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感想
まず目を引くのは、やはりその豪華すぎる執筆陣だ。
普段から追いかけている好きな漫画家が複数参加しているだけでも胸が高鳴るのに、それぞれがこのテーマにどう向き合うのかという期待感が、読み始める前から強く引き込んでくる。
作品集という形式だからこそ実現できる多様な個性のぶつかり合いがあり、ページをめくるたびに「次はどんな作家が、どんな地獄を見せてくるのか」と、楽しみと不安が入り混じった独特の高揚感が続いていく。
コミ爺さん豪華執筆陣が織りなす多種多様な地獄!
内容はタイトルの通り、いわゆる“バッドエンド”をテーマにした短編集だが、これが想像以上に重く、そして鋭い。
単に後味が悪いというレベルではなく、読んでいる最中からじわじわと心臓を締め付けられるような感覚が続き、気づけば息苦しさすら覚えてしまう。
どの話も救いがない、あるいは救いがあったとしてもそれがあまりに歪で、結果的に余計な痛みを伴うような展開ばかりで、読後に安らぎを与えてくれるものはほとんど存在しない。
それでもページをめくる手が止まらないのは、それぞれの作品が持つ完成度の高さと、読者の感情を確実に揺さぶる力の強さゆえだろう。



胸糞だからこそページをめくる手がとまらないまであった
特に印象的だったのは、“胸糞のバリエーション”の豊かさだ。
一口に後味の悪さといっても、その方向性は実にさまざまで、人間の醜さをこれでもかと突きつけてくるものもあ
精神的な暴力、社会的な歪み、個人の弱さや狂気など、あらゆる角度から読者の心をえぐってくるため、一話ごとに違った種類のダメージを受けることになる。
そして収録されている話数が多いことも相まって、その“胸糞”が休む間もなく押し寄せてくる感覚はかなり過酷だ。正直なところ、読み進めるのがつらくなる瞬間も少なくなかった。



世界は残酷じゃ
それでもなお、この作品集を「面白い」と感じてしまうのが悔しいところでもあり、同時にこの本のすごさでもある。
どの作品もただ不快なだけでは終わらず、構成や演出、テーマの提示の仕方においてしっかりと“漫画としての面白さ”が成立している。
だからこそ読者はダメージを受けながらも読み続けてしまい、結果としてより深く心に刻まれる。こ
れは単なる後味の悪さの羅列ではなく、計算された不快さと表現力によって成り立つ、非常に完成度の高い短編集だと感じた。
読み終えたあとに残る感情は、爽快感や感動とは程遠い。むしろ、言葉にするなら「澱み」という表現がこれ以上なくしっくりくる。
胸の奥にどろりとした何かが溜まり、それが簡単には消えてくれない。
しばらくの間、気分に影響を及ぼし続けるような重さがあり、ふとした瞬間に作品の断片がよみがえってくる。
この感覚は決して心地よいものではないが、それだけ強い印象を残す作品であることの証でもあるだろう。



どろっとした気持ちさせる作品集じゃったわい
気軽に読める作品ではないし、人によっては強いストレスを感じるかもしれない。
しかし、漫画という表現が持つ“感情を揺さぶる力”をここまで極端な形で体験できる作品集はそう多くない。
読むタイミングや精神状態は選ぶ必要があるが、それでも一度は触れてみる価値のある、強烈な読書体験だった。
評価
- どんな人におすすめ?
-
完成度の高い胸糞が読みたい人。
- 何が特に好きだった?
-
豪華執筆陣


- 豪華すぎる執筆陣
- 漫画としての完成度の高さが詰まった話が多い
- あまりにも胸糞
- 苦手な人はとことん苦手だと思う
- 値段が高い



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